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働く 返せ!残業代(中) 実態に合わぬみなし時間

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2008080702000113.html

 ゲームソフト製作会社「テクモ」プログラムチーム・リーダー小沢宏昭さん(38)=東京都在住=は「納期前は仕事がギュッと凝縮された日々が一カ月以上続く」と語る。十数人の部下に細かい指示を出しながら淡々と自分の仕事もこなす。神経性の失調で離脱する同僚もいる過酷な現場だ。

 四月は休日がなく四百四十四時間働いた。一日平均十五時間近くになるが、記録上の労働時間は「一日八時間半」。

 「会社が二〇〇四年六月から採用した『裁量労働制』で、どれだけ働こうと、記録上の労働時間は一定になった」と小沢さん。裁量労働制は、労働者の判断で労働時間を決められるが、労使協定で定めた「みなし労働時間」しか働いたことにならないシステムだ。

 制度導入前に説明を聞いて、小沢さんは「“ただ働き”が増えると直感した。質の高いゲームを作るには、このみなし時間は短すぎる」。実際、導入前と労働時間はほぼ同じなのに、年収は二百万円も減った。

 小沢さんは「残業代がそっくり消えた。会社側は残業代を払いたくないから、裁量労働制にしただけ」と憤る。

 一方、テクモ側は「早く帰宅できる日も増えたはず」と制度の利点を強調。だが実態は「たやすく早退できる仕事量ではない。制度導入から四年間で早退できたのは数日」(小沢さん)だった。

どこの世界も経営側が賃金減らしたいだけ。それ以上の理由がない。
わたしもものづくりの現場にいた事があるので、テクモの例は良くわかる。会社側は1日でも早く帰宅できる日があれば利点があるって言うので、私は会社側にその"実績"は作らせなかった。さすがに440時間/月という労働時間まではいかないものの、300時間/月は楽に越える毎日だった。

<みなし労働時間制> 労働基準法で認められているのは、事業場外みなし労働制と、専門業務型・企画業務型の裁量労働制の三種類。残業代は発生しないが、使用者側は、午後十時から翌日午前五時までの深夜労働に対して、割増賃金を支払う義務がある。

この「みなし労働」の前提条件がおかしい事は言うまでもない。
これを適用できる大原則は

  • 「会社のお金が自由に使える人」
  • 「会社に労働時間を一切管理されない人」
  • 「代わりになる人がいない人」

このぐらいじゃないとみなし労働は適用してはならない。

要するに競争が働かない「一点もの」の仕事が出来る人以外は適用してはならないだろう。
こういう人は独立してもやっていけるだろうから、個人事業主としてもやっていける。
このクラスじゃない人にみなし労働の適用は経営側に都合が良すぎるのだ。

一見すると適用できそうなプロスポーツ選手や芸能人だって、年俸制、月給制でやっていることも多い。
彼らには「代わり」がいるからだ。
「代わり」になる人がいる仕事にこの法律を適用するということは、賃金に不満があったらどこからか安い人を連れてくるという選択肢を経営側に与え、経営のリスクを労働側に押し付ける事ができるからだ。