首相、何もしない人の分なぜ払う 医療費で発言

http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008112601000936.html

 その上で「今になるとこちら(麻生首相)の方がはるかに医療費がかかってない。それは毎朝歩いたり何かしているからだ。私の方が税金は払っている」と述べ、努力して健康を維持している人が払っている税金が、努力しないで病気になった人の医療費に回っているとの見方を示した。

 さらに「努力して健康を保った人には何かしてくれるとか、そういうインセンティブ(動機づけ)がないといけない」と話した。

なんか間違っているんだろうか。
自動車保険だって無事故ならどんどん掛け金が安くなるし、生命保険だってリスクが低い人ほど掛け金が安い。モノによっては配当まで出る。
もちろん国民健康保険は趣旨が違う。単純に民間の保険と比べることはできないだろう。

これもまた根源的には「日本国憲法第25条 国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」に引っかかる話だ。
憲法は「国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む」「権利を有する」と言ってるのであって、「保障する」とは言っていないのだ。
健康な人と病弱な人。健康なほうがいいに決まっている。しかし病弱な人もいるだろう。病弱な人が健康になりたい気持ちは当然のことである。しかし、病弱な人が何のコストも負担せず、何の努力もなしに健康な人とまったく同じ生活を営むことを保障してあげる義理はこれっぽっちもないのだ。もちろん、それ相応の負担と努力をして「健康な人と同じ状態に限りなく近づく」だけであって、まったく同じになることはない。ましてや、立場が逆転することはない。

医療費が膨れ上がっていると国はいう。もっと出せという国民、保険料を安くしろという国民、自己負担を減らせという国民。どれが正しいかは分からない。しかし、言えることは一つ。
健康な奴が損をして、不健康だった奴が得をする制度は間違っている、ということだ。