麻生太郎首相、ハローワークを視察

時事通信共同通信の報道の差が気になったのでメモ。

これは時事通信

雇用対策取り組みアピール=麻生首相ハローワーク視察
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081219-00000085-jij-pol
12月19日12時48分配信 時事通信
 麻生太郎首相は19日午前、東京都渋谷区のハローワークを視察した。景気後退を背景に企業の採用内定取り消しや派遣社員の解雇などが深刻化する中、雇用対策に取り組む姿勢をアピールする狙いだ。
 首相は職員から雇用を取り巻く環境や利用状況の説明を受けたあと、職を求める人たちで混雑する求人情報の検索コーナーなどを見学。非正規労働者が対象の特別相談窓口では、北海道から上京したという若い男性と意見交換し、「どうせなら六本木とかおしゃれなところで働きたい」と語る男性に、「世界中どこでもそうだが、何となく格好いい仕事は給料が安い。力仕事やしんどい仕事は実入りがでかい」と諭した。 

こちらは共同通信

首相が渋谷のハローワーク視察 目的意識持てと激励
http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008121901000234.html
 麻生太郎首相は19日午前、東京都渋谷区のハローワーク渋谷を訪れ、非正規労働者向けの緊急特別相談窓口を視察した。職を探す若者に対し、首相は「何かありませんかと言うんじゃ仕事は見つからない。目的意識がないと雇う方もその気にならない。何をやりたいか決めないと就職は難しい」と声を掛けた。

 目的があっても仕事を見つけるのが困難な雇用危機の最中だけに、首相の発言には「的外れ」との批判も出そうだ。

 首相はパソコンを使った求人検索コーナーで、自らパネルに触れて操作。視察後、記者団に「政府が思い付く限りのことはすべてやらせていただいている。ハローワークが雇用への意識を持って緊急対応しているのが分かった」と強調した。

同じ出来事をニュースにしたんだと読み取れるわけですが…

時事通信

北海道から上京したという若い男性と意見交換し、「どうせなら六本木とかおしゃれなところで働きたい」と語る男性に、「世界中どこでもそうだが、何となく格好いい仕事は給料が安い。力仕事やしんどい仕事は実入りがでかい」と諭した。

これだけ読めば、私には至極真っ当な話に見える。若者のほうが仕事に対する心がけとしては甘いといわざるを得ない。

ところが…

共同通信

職を探す若者に対し、首相は「何かありませんかと言うんじゃ仕事は見つからない。目的意識がないと雇う方もその気にならない。何をやりたいか決めないと就職は難しい」と声を掛けた。

 目的があっても仕事を見つけるのが困難な雇用危機の最中だけに、首相の発言には「的外れ」との批判も出そうだ。

「首相の発言には「的外れ」との批判も出そうだ」と勝手なことを言っているのは共同通信であって一般市民が言ってるわけではない。しかも、この若者が首相に何かを言ったからこういう返事が出たのではないだろうか、と思わせるような記事だ。これだと若者がいかにも「何でもいいから仕事が欲しい、何か仕事はありませんか、麻生首相」とでも話しかけた上で、「何かありませんかと言うんじゃ仕事は見つからない。目的意識がないと雇う方もその気にならない。何をやりたいか決めないと就職は難しい」と返事をしたように感じてしまう。もしそれが事実なら事実の通り書いても一般市民は違和感を感じることはないだろう。求職者は必死なんだということぐらい、一般の市民は感じることができる。なのになぜ書かなかったのだろうか。書かないことで余計な想像をしてしまう。それとも、書いたら都合が悪くなることでも言った上での麻生首相の言葉だったのだろうか。それとも、麻生首相のほうから声を掛けたのだろうか。私にはとてもそういう言葉には見えない。食を探す若者の発言に対しても返答のように見えるのだ。


(追記)
日テレのニュースで一連の会話が流れた。確かこんな感じ。

若い男性「北海道で土木作業員をやっていた」
麻生首相「何かありませんかと言うんじゃ仕事は見つからない。目的意識がないと雇う方もその気にならない。何をやりたいか決めないと就職は難しい」
若い男性「どうせなら六本木とかおしゃれなところで働きたい」
麻生首相「世界中どこでもそうだが、何となく格好いい仕事は給料が安い。力仕事やしんどい仕事は実入りがでかい」

と、いうわけで、取り立てて叩くようなニュースではない感じ。
こんな時代だからこそ選り好みしている場合じゃないっていうことを言いたかっただけだな。