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最後の資本はつぶさない

派遣切り「お助け」求人 どこも「応募は意外に少ない」

http://www.j-cast.com/2009/01/14033618.html

失業者が増える一方で、厚生労働省が発表している一般職業紹介状況(08年11月)によると、相変わらず人手不足の業種もある。有効求人倍率(求人数/求職者数)は接客・給仕が3.1倍、介護などを含む家庭支援サービスが2.38倍、自動車運転の職業が1.22倍、建設躯体(骨組み)工事の職業が4.10倍となっている。

失業者を受け入れようと、同県にあるタクシー会社、大分第一交通(大分市)は、330人の運転手を正社員として新たに雇用すると2008年12月29日に発表した。
多数の応募が来ており、年始から連日のように面接を行っているが、そのうち元派遣社員は2〜3人しかいないそうだ。

全国143カ所で有料老人ホームを運営している介護事業会社「メデカジャパン」(さいたま市)。日産、マツダソニー日本IBMなど人員削減を表明した大企業30社(09年1月9日現在)に、元派遣社員期間工らの受け入れを伝える案内状を送った。同社は慢性的な人員不足に悩んでおり、毎月200人程度を募集している。
人事担当者は、
「通知した企業から応募があったのは、今のところ1件です。それ以外での応募も特に増えていません」
と明かし、派遣先から受け入れの情報が伝わっていないのではないか、とみている。

農業や畜産業も、高齢化で人手が足りていない。1600の農家や養豚会社が所属する日本養豚生産者協議会(東京都渋谷区)は、全国の養豚経営各社で約100人を雇用する、と08年12月25日に発表。仕事内容は養豚場での作業で、具体的には豚の繁殖・肥育育成に携わる。初任給は20万円前後。同協議会事務局長は、
「今のところ全部で24、5人しか来ていないですね。中には派遣切りに遭い、応募してきた人もいますが、思っていたより少ないです」
と困惑している。

正社員にはなりたくない、意地でも派遣がいい、という人は別にすると、これまでの製造業は「まだマシ」だということなのだろう。

正直、私は接客・給仕、介護・家庭支援サービス、自動車運転、建設躯体工事、農業・畜産業が具体的にどんな仕事かは知らないが、想像するとこんな思いをめぐらせてしまう。

接客・給仕、介護・家庭支援サービス、自動車運転、建設躯体工事、農業・畜産業、これらすべてに共通するのは
「体を壊しそう」「時間が不規則」
という事に尽きるのではないかと思われる。

介護や自動車運転の現場では大抵の人が「腰が痛い」と言う。
万一、腰がやられてしまったらもうこの仕事すらできない、という事になる。接客や建設もいわゆる「立ち仕事」だ。足腰が立たなくなったら終わりになってしまう職業だ。
製造現場でも立ち仕事はたくさんあるものの、座ってもできる仕事はたくさんある。
また、建設や農業は屋外での仕事ということになる。雨が降ろうが雪が降ろうが仕事をしなければならないケースも出てくるであろう。当然病気など体を壊すリスクは高くなる。製造現場は少なくともく屋根はついているだろうし、空調が効いている製造現場も少なくないだろう。
労働者最後の資本である「身体」をつぶすわけには行かない、と考えればこれらの仕事は報酬以外の面でも「条件が悪い」という事になる。

また、介護や自動車運転は夜討ち朝駆け。相手の都合に合わせて働かなければならない。自分の都合が入る余地はない。製造現場なら交代制や残業当然、ということはあっても、基本的にはスケジュールどおりに動く。つまり予定が立つということだ。これまた労働者の基本的な資本である「時間」をつぶしたくないと考えると、相手の都合に振り回される介護や自動車運転は金銭面以外の面でも「条件が悪い」という事になる。

職を失っていない人は、この場に及んで選り好みするなんて…と考えるかも知れないが、体を壊してしまったら本人の意志にかかわらず働けなくなってしまう。この辺の保障もない状況では回避もやむなしなのかもしれない。