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逆輸入DVDやBDが禁止されるのでは?

英国Amazonでのお買い物が危険すぎる

http://www.excite.co.jp/News/column/20090128/Getnews_4200.html
実際、英ポンドの価値は急落しており、2008年7月24日には1ポンド215円だった為替相場も、いま(2009年1月27日)は1ポンド124円! なんと半年で価値が半分近くになっているのです。これは逆に言えば、日本円の価値が倍近くになっているということでもあります。

そこで、ひょっとすると今英国のアマゾン(http://www.amazon.co.jp/)で日本からお買い物をするとお得なのでは…?と思い、どんなことになるのか見てみました。

英国Amazonの使い方は日本とほぼ同じです。Amazon.co.jpでお買い物をしたことがあれば、すんなり買い物できると思います。さっそく “内外価格差” が大きいことで有名なアニメのDVDを見てみましょう。

【日本】
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX DVD-BOX (初回限定生産)
ディスク枚数: 7  時間: 637 分
新品3点¥ 68,000より 中古商品11点¥ 50,800より

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG DVD-BOX (初回限定生産)
ディスク枚数: 7  時間: 637 分
価格:¥ 30,142 国内配送料無料

【英国】
Ghost In The Shell - Stand Alone Complex - SAC 1st GIG - Complete Box Set
Number of discs: 7  Run Time: 750 minutes
Price: £15.98

Ghost In The Shell - Stand Alone Complex - SAC 2nd GIG - Complete Collection [2005]
Number of discs: 7  Run Time: 650 minutes
Price: £15.98

ディスク枚数や収録時間の表記を見ても、内容はまったく遜色ない同一のものであることがわかります。もちろん、英国Amazonで販売されているものは正規ライセンス品です。英ポンド表記ではピンときませんか?では現在のレートで計算してみましょう。

£15.98=1981.52円 (※1£=124円換算)

一枚単価でもなく、7枚組のDVDボックスがこの値段です。驚きですね。いやでも「英国から買うとなると送料が高いのでは?」と不安がよぎります。そこで送料を確認するために、購入手続きをしてみることにします。

DVD BOX2つを注文してみると、送料は£5.07、つまり日本円で630円くらいです。下手したら国内送料より安いじゃないですか! しかも、先ほどの表示では£15.98だったDVD BOXの単価も£13.90に変更されています。そう、英国国内だとかかる消費税(VAT)が、日本からの注文だと無くなるためさらに安くなるのです。

つまり、上記2作品「攻殻機動隊 S.A.C. 1st GIG」「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」両方のDVD BOX、総計DVD14枚組の正規品を英国Amazonに発注すると、全部で送料もあわせて4000円(4076円)ということです。なんだそれは!

ポンド急落の話は私も知っていたので、実はこの記事が出る直前、同じように、日米英仏(円ドルポンドユーロ)のAmazonで同じ商品を比べて安く買えないかなぁ、と。
ものによってはかなり安く買えることが分かりましたが、DVDは調べてなかったので盲点でした。
まぁ、これで言えることは、いかに日本の流通がひどいか、ということに尽きる。
そこでふと思い出したのがこんな話。

逆輸入CD、輸入禁止期間は4年に決定

http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0410/29/news083.html
輸入CDの還流防止措置について、政府は本日行われた閣議で輸入禁止期間を「4年」とする著作権法施行令の改正を決定した。この法令は改正された著作権法が施行される来年1月1日から適用される

そういえばこのときも国内版と逆輸入版で価格が違いすぎる、逆輸入版が安い、って言うことで逆輸入版が横行し、輸入禁止になってしまったと記憶している。
が、このとき、CDは安くする、といっていたがどうだろうか。いや、安くするどうのこうのいってる時代じゃなくなった。アップルのオンライン音楽販売が台頭し、CDは売れなくなってしまった。
しかも、逆輸入CDを禁止する名目が「著作権保護」だったはずなのに、実態は流通業者保護だった。が、CDという媒体を離れた音楽は既存の流通業者を必要としなくなった。
DVDやBDもこのままいくと同じ道をたどるような気がする。そして、既存の流通業者は同じ愚を犯す。新しい事にシフトしたがらない、既存の業者を守るほうが優先される日本の悪い癖と権力構造だ。
どうせ時代は変わるんだから、自ら進んで新しい流通携帯に取り組めばいいものを、みすみすアップルにその流れを奪われてしまった。映像コンテンツも回線の高速化でこれからますますオンライン流通過することは目に見えている。きっと、映像コンテンツはオンラインでダウンロードして、メモリカードに保存する時代になる。BDが煩わしい、BDの次へのコンバートがめんどくさいからファイル形式で持っていたい、と思うであろう。音楽はすでにCDという固定されたメディア形式ではなく、mp3やwmaといった将来への引継ぎが容易な、媒体によらないファイル形式で保存することが当たり前になっている。
次世代への引継ぎが容易、という観点は大事だ。
いまでこそ当たり前のように普及しているDVDもプレーヤーしかない頃は普及しなかった。レコーダーが出て少し普及した。しかし、普及の決定打だったのはパソコンへの搭載が当たり前になり、ファイル形式での書き込みができるようになったこと、もうひとつはDVDのコピープロテクトが破られた事により「オリジナルとまったく同じ」ものが記録でき、その内容について「将来への引継ぎが容易である」ことが証明されたからであろう。
次世代DVDとしていろいろ期待されたBDの普及も芳しくない。理由はDVDと同じだろう。BDに記録したコンテンツが「オリジナルとまったく同じ」ものが記録でき、その内容について「将来への引継ぎが容易である」ことが証明されないと容易には普及しないだろう。
この手の話はなにも固定媒体コンテンツに限った話ではない。テレビも同様である。地デジの録画についてもダビング10という誰にメリットがあるのかまったく分からない方式が採られているが、消費者の望む姿とは程遠い。消費者が望むのは「オリジナルとまったく同じ」ものが記録でき、その内容について「将来への引継ぎが容易である」ことなのだ。早い話がオリジナルと同等の内容の孫コピーを認めろ、ということだ。
さらに、テレビについては録画環境にとどまらない。テレビ放送そのものについても「県域」という誰にメリットがあるのかまったく分からない方式が採られていて、事業者自ら視聴者の上限数を限定し、コンテンツにアクセスしたい人を追い出しているのである。「いまどき世界中のコンテンツにアクセスできる環境があるのに、テレビだけなぜ県域にこだわるの?」という感覚を持つ人が多くなっているのも当然の話だろう。これも今となっては、少数寡占の業者がコンテンツの流通を仕切っている弊害に他ならない。テレビに関して、いまの日本では海外からの輸入どころか隣の県からの輸入すら厳格に制限されていて、コピーや逆輸入品どころかオリジナルにアクセスすることすら許さないというとても窮屈かつ妙な状態になっている。

もっとも、コンテンツ製作者にとってはオリジナルとまったく同じコピーが作られてしまい、自らが得るべき対価がなくなってしまうことは著作権者にとっては脅威である。ここは絶対に守られなければならない。著作者あっての著作物だ。最大限に尊重すべきところである。
しかし、これに付随する流通業者を守る必要があるのだろうか。媒体は時代とともに変わる。レコードからカセットへ、CD、MD、DVDとどんどん変化していく。変化するたびに流通業者も変わったってなんら問題はない。むしろ、ずっと同じ業者が流通を支配し続け方が不健全だろう。著作物の流通や配信など広く一般に知らしめる方法はたくさんあるが、これを制限してよいのは著作(権)者だけでよいのではないだろうか。流通したい人は誰でもどこへでも自由に流通できる。でも、その対価は著作権者にちゃんと入ってくる仕組みづくりのほうがよほど大事だろう。デジタル化したコンテンツのよさは「コピーしても劣化しないこと」にある。すなわち、マスターの管理が非常に楽である、ということなのだ。文化の維持、保管というだけなら国会図書館のようなコンテンツ保管専用組織が1つあれば十分だろう。流通に関して言えば、たった一つのマスターさえあれば、新品とまったく同じクオリティのものが永久に流通させることができるのだ。そのマスターはなにも大手流通業者でなくとも良くなった。個人レベルでもマスターと同じクオリティのものが何年も保管できるようになった。となれば、ちいさな個人の努力でも半ば永久に流通させられることもできるのだ。それはあたかもファイル共有ソフトで流出した個人情報のごとく、消したくても消えない、しかも劣化しないことがすでに実現されている。
コンテンツの流通を制限、禁止してもなにも生まれない。