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身近な大都市の存在が自殺者を救う

県別自殺率ランキング1位は?あの自殺名所を抱える…

http://www.zakzak.co.jp/top/200905/t2009051502_all.html
 結果は表の通りで、山梨が2年連続のワースト1位。青森が2007年の3位から2位になった一方、自殺率の高さで知られてきた秋田は07年比マイナス0.6で2位から3位へと改善した。

 ただ秋田の場合、人口動態統計による県内居住者で算定した自殺率では、昨年まで13年連続でワースト1位。今年1月、厚生労働省が“速報値”として出した人口動態統計をもとにすると34.4のトップで、14年連続1位は濃厚だ。

(中略)

■2008年都道府県別自殺率
(1)山梨41.1(2)青森36.9(3)秋田36.6(4)岩手36.2(5)和歌山35.9(6)鳥取35.6(7)宮崎33.6(8)島根33.2(9)北海道31.2(10)鹿児島31.1(11)新潟30.2(12)富山30.1(13)山形30.0(14)栃木29.4(15)福島29.0(16)愛媛28.9(17)福井28.8(18)高知28.8(19)群馬28.2(20)長崎27.7(21)長野27.5(22)宮城25.9(23)福岡25.9(24)熊本25.7(25)徳島25.4(26)岐阜25.4(27)山口25.4(28)大分25.3(29)佐賀25.0(30)滋賀24.8(31)沖縄24.5(32)大阪24.2(33)広島24.1(34)茨城24.0(35)三重23.7(36)石川23.7(37)静岡23.7(38)埼玉23.2(39)兵庫23.2(40)奈良23.0(41)東京22.9(42)千葉21.9(43)京都22.4(44)香川21.7(45)愛知21.0(46)岡山20.9(47)神奈川20.4

自殺の要因の1つに「雪の多さ」「冬の厳しさ」があげられることが多い。
たしかに、東北や北陸、北海道は自殺率が高い。
しかし、これだと石川が比較的低い反面、宮崎や鹿児島が高い理由がつきにくい。

で、感覚的に思う「もうひとつの原因」が「大都市への時間距離の遠さ」である。

この際、山梨は例外ということで除外したいと思う。理由は元記事のとおり「樹海の存在」である。

そういう意味では、真のワースト3は青森県秋田県岩手県の北東北3県である。5位以下も和歌山県鳥取県、宮崎県、島根県、北海道、鹿児島県とすべて大都市から遠いところだ。

北東北にとっての身近な大都市はおそらく仙台市だろう。しかし、仙台市まではほぼすべての地域でどんな交通機関を使っても1時間でたどり着くことは出来ない。
秋田県全域や青森県の大部分から仙台市までは最速でも間違いなく2時間以上かかる。おそらく最速の交通網である新幹線で最も仙台に近い都市、八戸から仙台に向かっても1時間20分かかるし、高速道路を利用たらたっぷり3時間はかかるだろう。同様に秋田県も、田沢湖町から新幹線で仙台に向かっても1時間20分かかる。比較的近いであろう横手市から仙台市に高速道路で向かっても2時間はたっぷりかかる。それ以前に北東北は高速道路が通っていない地域も多く、高速道路に乗るまで1時間以上かかる地域も珍しくない。
同様に、和歌山県にとっても身近な大都市は大阪市だろう。和歌山市ぐらいならいいだろうが、紀伊半島の先のほうは大阪市までかなり時間がかかるし、ここもまた高速道路も途切れ途切れである。
鳥取県島根県も同様に身近な大都市は大阪市もしくは広島市ということになるだろうし、宮崎県や鹿児島県にとっての身近な大都市は福岡市ということになるだろう。
いずれの地域も大都市まで楽に行ける場所ではなく、新幹線も高速道路も途切れ途切れである。
ワースト11以降も新潟、富山、山形、栃木、福島、愛媛、福井、高知、群馬、長崎と交通網の端っこだったり、大都市から遠い地域を多く含む県である。

逆に自殺率の低いところを見てみよう。
ベスト10は神奈川県、岡山県、愛知県、香川県京都府、千葉県、東京都、奈良県兵庫県、埼玉県と、ほぼ見事に大都市圏である。
香川県奈良県を除けばすべて政令指定都市を抱える県であり、奈良県も大部分の人は大阪へのアプローチがよい地域に所属する。

なぜ大都市では自殺率が低いのか、と考えたほうが解決が早いのではないだろうか。

その答えは「匿名性の高さ」「しがらみの少なさ」にあると思われる。

日本人社会はしがらみが強く、失敗を認めず、他人の足を引っ張る。
つまり、社会生活で何らかのミスを犯した場合、北東北のような保守的で地域のしがらみが強い地域では、そのミスをずっと指摘され続けることになる。
しかも、人のつながりが強い地域なので、どこかに逃げてもすぐに足がつく。新しい形の村八分といってもいいだろう。
日常生活で「隣の家の冷蔵庫の中身まで知っている」というのが北東北の多くの農村地域ではいまだに存在する。ここまで情報がだだ漏れだと何も隠せないし、オリジナリティなんて発揮できない。強烈な相互監視社会なのだ。
大都市はこれがない。良くも悪くも「隣は何をする人ぞ」で済ませてくれる。心が休まるのだ。

単純に大都市のほうが自殺率が低い、ということであれば、東京都や大阪府のほうが上位に来てもよさそうであるが、実態は、神奈川や京都、千葉といった大都市周辺のいわゆるベッドタウンのほうが上位である。
これは地域にしがらみをもたない住民が多く、他人に無関心なことが自殺防止につながっているからとも考えられる。

つまり、しがらみの強さが自殺を招くのだ。

しかし、地方は大都市周辺にはなれない。よって、自殺対策には岡山県香川県の県民性を勉強するのが良いと思われる。