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「なぜ5年、10年もかかるんだ?」という議論にならない不思議

何を求めて働けばいいのか

http://www.aera-net.jp/summary/100620_001724.html
丹羽 大学を出て3年以内に会社を辞めた人たちとテレビ番組でディスカッションしたことがあります。彼らは「くだらない仕事をずっとやっている人の気が知れない」と言うんです。でも最初から楽しい仕事なんてないし、最初から自分に合った仕事が見つかるなんてめったにない。辛抱して基礎を学んでいるうちに、知識も増える。長く辛抱して基礎を学ぶほど、より大きくジャンプできる。だから、5年、10年は「アリのように働け」と言うんです。でも、辛抱強く5年働ける若者は、だんだん少なくなってきています。

気持ちはわからないではない。
しかし「自分に合わない仕事」は他人に合うのか?といわれると、他人にも合わないケースの方が多いのではないか。
辛抱が不要とは言わないし、努力は必要だろう。

しかし、それが昔のように5年、10年もかかって良いのだろうか?一人前に育つことがこんなに時間がかかって良いのだろうか?

という疑問を呈する論調がちっとも出てこないことのほうに違和感を感じる。

若者に対して「アリのように働け」という言葉の裏には、年長者は「最適解は知ってるけど教えてやらねーよ」「俺たちが苦労して見つけた答えをやすやすと知られちゃたまらない」「苦労することそのものに意味があるんだ」と言ってるように聞こえるのだ。

そして、それは企業のためになるのだろうか?

日本企業を脅かす「30歳社員問題」

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20100615/214954/
 本来であれば、この30歳前後の世代は仕事も覚え、最もやる気が高い人たちのはずです。日本企業の歴史を振り返っても、そうでしょう。仕事が分かり、責任を任され、会社をどんどん引っ張っていくような世代です。

 しかし、現状は違う。上には大量採用のバブル入社組が詰まっていて、昇格も難しい。組織のフラット化で管理職ポストも減っていますしね。新人時代は会社の業績が厳しくて、いろいろ新しいことにも挑戦させてもらう機会が少なかった。だから、充実感が得られなくなっている。

10年アリのように働いてきた結果がこれ。ちっとも企業のためになっていない。
いや、バブル組や管理職のためにはなっているのかもしれないが「成果主義」や「組織のフラット化」「管理職への昇進」といった競争条件が平等になっていない。上のほうだけがおいしい思いをしている状態だ。

一人前になるまでの期間をどんどん短くしていく創意工夫が必要だ。それか単に社員教育だけではない。会社組織全体の合理化や効率化、各社員の権限の強化、仕事の役割分担と責任の明確化などなど、手をつけるべきところが山ほどあるはずである。
それをほっといてまずは10年アリのように働け、なんていわれたって若者は付いてこないだろう。昔のように年功序列じゃないんだから「あとから取り戻せる」わけでもなく、このご時勢、10年後に会社が残っているかどうかすら怪しい場合だって少なくない。

さっさと育ててさっさと回収するか、ちゃんと育てなくてもちゃんと組織が動くような方法を考えるべき時が来ているのだろう。成果主義をやめたほうがチームワークが育ち、チーム内の利害が一致することで能力アップが早くなるかもしれないし、仕事がはかどるようになるかもしれない。ひょっとしたら「汗水流さないで、苦労しないでお金を稼ぐことは悪である」みたいな因習、しがらみのようなものまで見直す必要があるのかもしれない。