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東京で得られるスキルの価値は年収800万円相当。一方、過疎地で得られるスキルの価値は?

若手医師へき地異動、年収800万増えないと…

http://www.yomiuri.co.jp/national/20160109-OYT1T50093.html
 東京勤務の若手医師がへき地に異動するなら、年収が800万円近く増えないと満足しない――。

 日本医師会総合政策研究機構の坂口一樹主任研究員と滋賀大の森宏一郎教授が、医学部卒業後10年未満の若手医師1302人を調査し、就職条件の傾向を分析した。医師偏在の解消の参考になると期待される。

 調査は、国公私立の80大学の内科や外科など計1195診療科を対象に実施。年収、所在地、病床数、休日や当直数など8項目の条件が示された架空の求人票を、医師が1人あたり20枚ずつ評価し、就職したいか判断してもらった。

 へき地や離島の勤務は、大都市圏に比べ不人気で、就職先に選ばれる確率は15・1%低かった。現在の勤務地が大都市圏にあるほどこの傾向が強く、へき地の選択確率は東京では23・8%低下し、北海道・東北の低下は6・0%だった。

若手医師が僻地に移動したがらないのは、将来の見通しが立ちにくいということが一番であろう。そして、将来の見通しが立ちにくい理由の一つが、僻地=人口減少であり、患者そのものが減少することであり、もう一つが医師としてのスキルを身につけにくい、最先端の医療に触れにくくなる、ということではなかろうか。
そして、その見通しの立ちにくさというリスクを埋めるだけの費用が年800万円ということなのであろう。

裏を返せば、地方の若手医師は年収800万円ぐらい減っても東京に出たほうがいい、ということになる。
そのぐらい東京という街に住むこと自体に価値があるということなのだ。

若者は地方をめざす 「地方に仕事がない」はウソ?

http://dot.asahi.com/wa/2015102800061.html
「私は、都会でがむしゃらに働いたことで自分のスキルが身についたと思っています。だから、早い段階で田舎に移住することを若い人に勧めたりしたくない。地方で自分らしい働き方がしたいと思っても、現実はとても厳しい。焦らなくても、きちんと能力を身につけてからで遅くないはず」

高知への地方移住に最も成功した部類に入るであろう、この記事に出てくる町田さんですらこう語っている。
「地方に仕事がない、はウソ」なのかもしれないが、都会で身につけたスキルがないと地方では戦えないということなのだ。
裏を返せば、地方で身につくスキルは価値が低い、新しい価値を生み出さないとも言える。

地方創生の切り札は「よそ者」「馬鹿者」そして「若者」――増田寛也氏インタビュー

http://president.jp/articles/-/16320
よその地域からやってくる人、若い人、そして馬力がある人が、変化を起こしていくんです。

地方に住んでいて、地域おこしに携わった人なら一度は耳にする言葉。
「よそ者」「馬鹿者」「若者」
ソフトに言葉を選んで語っているので気がつかない地方民が多いのだが、要するに「地方民は年寄りのように皆同じ考え方しかできない堅い頭で馬鹿になれないから活性化に使えない」と言っているのだ。
変化についていけない、変化を嫌う地方は生き残れないのは今に始まった話ではない。
よそ者やよその雑多で多様な文化を受け入れ、頭を柔軟にして競争環境でスキルを磨き、それに応えて投資をしてくれる人や支持をしてくれる人がいて、馬鹿になって新しい価値を産む力を発揮できる街、それが東京なのだ。

地方活性化の話になると、ごく少数の成功例がニュースになって全国の僻地を駆け巡る。
僻地に移住して年収1000万円稼ぐことが出来ました!という華々しいニュースが流れても、それに続く人が居ない。それは、僻地は衰退していくもの、今は稼げても将来が不安、という規模的な話を無視することが出来ない上に、一旦僻地に行ってしまうと東京に戻って再び仕事ができるレベルのスキルを身に付けることが出来ないであろうという「スキルの都落ち(大貧民化)」の恐怖に怯えることになるからである。このコストが年収800万円ということである。大学もないような僻地で高度なスキルを身につけようと思ってもそう簡単ではないのは誰しもが感じるところだろう。極端なことを言えば、東京で得られる年収200万円と地方で得られる年収1000万円が同じレベルということなのだ。
数年後、市場そのものが無くなってしまうかもしれない、スキルが通用しなくなってしまうかもしれない、大企業が進出して自分の仕事を奪っていくかもしれない、来年は年収ゼロになるかもしれない、いざというときのアルバイト先も転職先もない、その恐怖に怯えながら僻地で得られる年収1000万に若者は憧れるだろうか。夢を持てるだろうか。
殆どの若者は、過疎化という自分の力だけではどうしようもない問題に立ち向かうより、ワープアでも働いて生きていける東京を目指すだろう。そして、僻地より価値のあるスキルを身に着けていつかはまともな生活を…という夢と「住むだけで年収800万円相当」のスキルを東京で得るのだ。
言い方を変えれば東京には年800万円のベーシックインカムという制度があります、と言われれば大抵の若者は東京を目指すでしょう。
つまり、地方は、過疎地は、これ以上の価値を提供できないと活性化しないということなのだ。