我が子も「リセマラ」して「課金」しないと勝てない?

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私は赤ちゃんの家族に食道閉鎖の説明をし、手術承諾書をもらおうとしました。ところが、家族は手術を拒否しました。

 不謹慎だとは思いますが、これを見てまっさきに思ったのが、この家族は「我が子」というキャラをリセマラして作り直したかったのではないか、ということ。

やがて、家族は面会にも姿を現さなくなりました。

 失敗を一つでもしたら、幸せというレールから外れてしまう恐怖と戦わざるをえない日本の社会。五体満足に生まれるのは当たり前、見た目も美しくスタイルよく、潜在能力も優れていてようやくスタートラインに立てる。その上で、親が我が子にどれだけ「重課金」できるかである程度勝負がつく。もちろんそれ以外の要素もあるだろうが、親の能力が高いほど経済力もある、というのが定説となっている。つまり、重課金に耐えられる親は必然的に能力も高いので、子育てという名のゲームをより有利にすすめることができるということになる。

たとえば、障害とともに生きている子どもとか、先天性の病気を治して生きている子どもやその親たちを実際に見てもらえば、赤ちゃんの家族も手術を受けさせる気になったのではないか。

 一流企業で働いて持ち家に住んでいるような人を見せれば手術を受けさせる気になったかもしれない。でもそんな人がいるのか。その辺にゴロゴロ居ますよ、っていうぐらい沢山の人が居ないとこの家族は納得しないような気がする。だって我が子をスマホゲーのキャラと同じ扱いにしているんだから。