恋愛は消費の原動力にならず、日経MJ若者意識調査

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・クリスマスにデートをしたことがある 20代後半の独身=69.1%(30-44歳既婚者の20代独身時=83.9%)
・その時の服装は? 普段と変わらない服=40.4%
・クリスマスに女性に宝飾品を贈ったことがある 20代後半の独身男性=44.0%(30-44歳既婚者の20代独身時=64.6%)
・花を贈ったことがある 20代後半男性=11.5%
・デートで行くことが多い場所(複数回答)は 自分・相手の部屋=63.8%(30-44歳既婚者の20代独身時=56.9%)遊園地・テーマパーク=32.2%(同49.3%)

「もはや勝負服は買わない、ハレの消費もしない。そんな若者が増えつつあるのでは」「おしゃれ着と普段着の境目も薄れつつある」

まぁ、毎度のことながら、こういう調査結果は比較的ネガティブな印象をもって報道されるのだが、なぜ「こういう結果が出るのは当然・必然」という報道がされないのだろうか。甚だ疑問である。
日本の企業はひたすら「聖域は設けない」「コスト削減」「無駄を排除」「必要なものを必要なときに必要なだけ」「できるだけ安く」という考えで行動してきた。なのに、個人がこれに追従せず、若者だから、恋人だから特別扱いするとでも思っているのだろうか。恋人やクリスマスを聖域扱いし、コストをかけ、無駄な支出を許すとでも思っているのだろうか。甘い、甘すぎる。

その根底には異性とのかかわりに消極的な若者の意識が見られる。
・異性との付き合いが面倒・わずらわしい=28.2%(30-44歳既婚者の20代独身時=10.0%)
・異性と仲良くするために多くのお金を使うのはばからしい=31.0%(同21.3%)
・異性と過ごすより同性の友人と過ごす方が気楽=25.6%(同9.6%)

この世代ではテレビの長時間視聴は少なく、ゲーム以外でパソコンに向かう時間が長い。一方通行のテレビから「誰かと場を共有できる」ネットに向かっているのかもしれない。
豪華なモノや恋愛消費や見栄消費よりも友人とのコミュニケーションは疎かにしない層への消費は喚起しにくく、企業には手ごわい相手といえる。

貧乏になった若者は戦時中と同じ意識になっている。
「進め一億火の玉だ!」と職場で精根尽きるるまで働かされ「足りぬ足りぬは工夫が足りぬ」と絞られ「贅沢は敵」と生活を限界までスリム化し「ほしがりません勝つまでは」と自制し、世の中に対しては「撃ちてし止まむ」と社会の見えない敵に恨みを抱く。
すなわち「豪華」「恋愛」「見栄」からかなり遠い距離にいるのだ。今、若者が欲しているのは「戦友」かもしれない。どんなに貧乏になっても携帯電話は手放さない。コミュニケーションのための「武器」だから。これがないと戦えない。

その他の理由も、結論から言えば「男女平等」「人間らしさ」「日本に誇りをもてる」で片付く理由ばかりだ。

・男性側がデートを仕切らず、デートには車は不要で見栄がない

男性側がデートで仕切る必然性は?男女は平等だよね。

・ボランティア意識は高い
・「がんばって働いて稼ぎ、物質的に豊かな暮らしがしたい」と「あまりお金がなくても時間的にゆとりのある暮らしがしたい」と生活の理想像は拮抗するが、そこに「勤勉に働く」ことが結びついているか怪しい

ほどほどに働いて、ほどほどに稼ぎ、ほどほどにやりがいがあって、ほどほどに必要とされる。
これがいいよね。

・茶道、華道、日本画、書道など伝統的な和風文化も好き

日本の誇れる文化だよね、いいじゃない。
浴衣、花火、温泉、お祭りなんかも和風かも。

・意外にも肉より魚が好き

魚のほうが健康にいいよね。

とまぁ、いいこと尽くめだと思うし、そうしたほうが良いとみんな言ってきたものばかり。
実際に実践されたら否定するのはなぜ?
若者は無鉄砲に突き進んで、心身が病んだり、生活に困ってもらわないと困るような言い方のも見える。企業同士のマッチポンプか?なんて勘ぐりたくなる。
経済のため、一生懸命ハンバーガーを食べながら、一生懸命ダイエット食品を食べてもらうことを望んでいるのでしょうか?