いいものだけをアニメ化

アニメバブル崩壊 DVD不振、新番組も減

http://www.asahi.com/showbiz/manga/TKY200905040063.html
 「ソフトが売れないのは、増えた作品がどれも、美少女やメカといった売れそうな要素を並べただけで似たり寄ったりだとファンが気づいたから」と、別のプロデューサーは話す。「ハイビジョン録画機が普及してきたし、不況で若者の可処分所得も減り、ソフトは厳しい選別にさらされる。それに耐える力のある作品を作るしかない」

一般論からすると、私もアニメ好き。
だけど、いかにも本数が多すぎると思う。DVDの不振は粗製乱造といってしまえばそれまでだと思うが、他にもいろいろ原因があるのではないかと思う。
そのひとつに「動画投稿サイトに無断で投稿してしまうやつがいる」という影響もあると思うが、これは誰かが言及すると思うので、ほうっておくとして…

ニコニコ動画とアニメ好きの親和性の高さはYouTUBEの比ではないと思う。
つまり、アニメファンは、他の芸能ファンや映画ファン以上に、同類がほしい、共感できる仲間がほしい、と思う人が多いのではないだろうか。
なのに、アニメの本数はどんどん増える。人間、時間は1日に24時間しかないので、アニメを見る時間にはおのずと限界が出てくる。すると当然見るアニメを厳選するようになるだろう。このとき、アニメの本数が多いと、同じアニメを見て共感する人が減ることになる。共感する人が減ると言うことは、盛り上がりも欠ける、ということになる。
このとき、盛り上がり方が共感する人の人数に比例するわけではなく、人数に合わせて加速度的に盛り上がることになる。

昔懐かしいアニメは、みんな見ていたから今でも共感を覚える。
古いところでは天才バカボンルパン三世ドラえもんなんかもそうだろうし、比較的まじめな部類に入るであろう、世界名作劇場や日本むかしばなしもそうだろう。
何十年も前のアニメなのに、みんなが共通の話題で盛り上がることができる。
ここはちょっと覚悟して、新作アニメの数を1/10にしてみてはどうだろうか。その分、1本あたりの制作費は10倍にする。クオリティの高い、大人より子供優先で楽しめる、商業色を減らしたいわゆる良作に絞ってみてはどうだろうか。
これで疲弊するアニメの制作現場も少しは助かるだろうし、海外への外注頼みも少しは減るだろう。
しかし、視聴者が10倍になるかと言えば、そこまではならないだろう。
でも、同じアニメを見る人が格段に増えることで共感を覚える人は数倍に増えるだろう。
そうすれば盛り上がり方は加速度的に増えることから、反響や派生する商売もより大きなものになり、結果として大きな経済力を生むのではないだろうか。
DVDの販売もオタクのコレクターズアイテムではなく、その時代に共感した思い出の品として買う層も増えるのではないだろうか。
そのよい例が古くは「8時だヨ!全員集合」のDVDであり、最近では「水曜どうでしょう」や「アメトーク」のDVDの売り上げである。みんなが見て、みんなが楽しんだ、と言う感覚を持つものはテレビ放送を録画をしていたとしても、売れるものだと思う。しかし、これらの番組はDVDの売り上げありきで制作しているわけではないだろう。
共通体験を持つ人を増やす道を選ぶのがアニメ復活への道ではないかと思う。