リニアのA・Bルートと静岡・茨城空港

リニアめぐる地域間の温度差露呈 説明会が県内一巡

http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20090618/CK2009061802000021.html
 「一市民としてCルートにまとまらないことに忸怩(じくじ)たる思いがある。AやBルートでは世界の笑い物になる」

 飯田市役所で15日に開かれた飯伊地区の説明会。柴田忠昭飯田商工会議所副会頭の発言に、会場は大いに盛り上がった。

 対照的に、飯伊以外の会場にはBルートを推す声が満ちた。ルートをめぐっては1989年、県による意見集約で木曽谷を通るAを断念し、Bに一本化。20年にわたり要望を続けてきた経緯がある。南アを貫通するCは当時、技術的に困難と指摘されていた。


 諏訪地区の参加者は「鉄道は誰のものか。説明を聞けば聞くほどBルートだ」と都市部を重視するJRの姿勢を批判。上伊那地区の参加者は「人を物のように速く運べばいいのなら、直線で結べばいい」と皮肉り、中間駅設置による地域振興を主張した。

私は長野県民でもなければ、リニアや東海道新幹線沿線住民でもないのですが、この「長野のゴネっぷり」が地方の頭の悪さを代表しているようにしか見えないのである。

リニアの目的は東京と名古屋を短時間でつなぐこと。おそらくこれが第一義なのではないだろうか。
長野はたまたま通過点にあっただけ。
「人を物のように速く運べばいいのなら、直線で結べばいい」というのは残念ながら皮肉になっていない。理想はこれなのだ。わざと長野を掠めるように通過したいわけではないのだろう。

翻って、長野のお隣、静岡に静岡空港が開港した。もうすぐ茨城も開港するらしい。静岡では「利用客はいるのか?」とずっと議論の種になっていたようであるが、もっともな議論である。

長野県民は客観的に見て静岡空港茨城空港がたくさんの利用客でにぎわうとでも思っているのだろうか。
利用者が多いと思ったら見通しが甘い。
利用者が少ないと思ったらリニアの駅についても同じことを考えてみるべきだ。

今の時代「形だけでも地元に施設が欲しい」なんていうのはまったく持って迷惑な話なのだ。これからの社会インフラは空港に限らず、何でももっと便利に使えなければならない。日本一の大都市、東京ですら、成田は遠すぎて不便だ、羽田から国際便を、といわれる始末。騒音よりも利便性。厳しい言い方をすれば、地元民の声より利用者の声。ゴネるだけでお金を落とさない地元民の声を聞く理由は無い、ということなのだ。これは他の交通インフラにもいえる。過疎地でよく目にする鉄道やバスの路線廃止。廃止反対と言ってる人のうち、どれぐらいの人が普段から地元の鉄道やバスを使っているのだろうか。とある地方の首長が鉄道会社に廃止反対のお願いをしに行くのに車で行って大顰蹙だったという笑えない話がある。儲からない公共交通網はすべてなくせ、というわけにも行かないだろうが、日本国中、住みたいところに自由に住んでおいて、不便だから自分たちところの社会インフラを整えろ、といっていいものでも無いように思える。