月給133万円で雇えば日本人もまじめに皿洗いのバイトをするはずだ

キツイ仕事をしたくないなら、外国人に働きに来てもらった方がいいと思う理由

http://careerconnection.jp/biz/news/content_2292.html
ただの皿洗いに50人来るなんて、今の日本の飲食業界が知ったら、さぞ羨ましい状況でしょう。このような背景がある国から来ているので、私が知る限り、彼らはみんな本当に真面目で仕事に手を抜きません。

確かに日本人アルバイトはまじめに働かないのかもしれない。
しかし、タイトルでは大雑把に「外国人」と言っているが、欧米人が日本に来て「キツイ仕事」をまじめにやるだろうか。まじめにやるのはサブタイトルにある通り「仕事のない国の人」である。

ここではネパール人の例えが出ているのでネパール人の生活を紐解いてみよう。

ネパール|活動報告|世界寺子屋運動|公益社団法人日本ユネスコ協会連盟

http://www.unesco.or.jp/terakoya/result/pj/npl/
ネパール人の平均年収はおよそ3万6千円。

年収が3万6千円だそうだ。為替レートによっても変わってくるだろうけど、ざっくり言えば月収3000円だ。
裏を返せば、ネパール人は母国なら月3000円でそこそこ生活ができるということになる。こんな人達と日本人を同等に扱おうというのだ。日本人が日本で月3000円で暮らせるわけがない。それでいて同じ仕事の成果を求めようというのは無理がある。

ネパール人が今後年老いて年金生活するまで日本で暮らし続けるとでも思っているのだろうか。彼らは日本で10年働いて100万円貯金が貯まったらきっと母国に帰るだろう。100万円あれば母国で約30年は働かなくとも平均的な生活ができるのだ。

ではどうしたら日本人がまじめに皿洗いの仕事をするだろうか。

皿洗いのような仕事は単純肉体労働であり体を壊すリスクが高いだけでなく、これといったスキルも身につかないため将来の賃金アップにもつながらない。つまり、体を壊してしまったら再就職は非常に困難という状況に追い込まれやすい仕事なのだ。そんな仕事を低賃金でまじめに働けといわれても無視する人ばかりになるのは当然のことなのである。
逆に、ネパール人同様、10年働いたら30年は働かなくても平均的な生活ができる賃金がもらえるとしたらどうだろうか。
人によってはハイリスクでも10年なら一生懸命働いて、後の30年はセミリタイヤでのんびりした生活でいいという人が出てくるだろう。
日本人サラリーマンの平均年収はざっと400万円である。10年働いて30年働かなくていい生活を送るには、10年で40年分の収入があればいいということになる。つまり、日本人に皿洗いのバイトを真面目にさせようと思ったら年収1600万円、月給133万円を与えるべきなのだ。

日本は再就職が非常にやりにくい社会であり、転職できても大抵の場合は収入がダウンする。このことを考えても年金がもらえるようになるまでは仕事をし続けない限りまともな生活は出来ないと考えるのは自然なことである。裏を返せば、年金生活に入る前に肉体を壊してしまうような仕事やスキルアップにつながらない仕事というものは、職を失うリスクが高い仕事であるということだ。その高いリスクに見合った賃金ではないからこそなり手がいない、ということなのだ。
高収入の代名詞である医者ですらハイリスクな産婦人科や外科はなり手が少ない。長い人生の途中で職を失う、体を壊す、スキルアップが出来ないということが如何にリスクが高いかということなのだ。

日本人は不真面目、外国人は真面目、というのなら、ネパール人ではなく欧米人を雇ってみてはどうだろうか。日本人が不真面目になったのではないということが分かるはずだ。日本の経済力の強さを笠に着て途上国の人にリスクを負わせるやり方は決して褒められたものではないはずだ。