読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日本の「IT自給率」を考える 「新卒は東大ばかり」、喜べぬワケ 理系離れがもたらす波紋(2008/08/01)

http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/nbonline.cfm?i=2008080100892cs&p=1

 実は不定型業務の一種に、イノベーションも含むことができる。「新しい仕組みで社会的価値を生み出すこと」は、まだ存在しないものを作る行為にほかならないからだ。

 日本で「イノベーションの不足」が指摘されて久しい。定型化で管理ができない以上、イノベーションの成否を決するのは人間であり、逆に人材の質がボトルネックになればイノベーションは起きない、ということになる。

いってる事に間違いはないと思うけど、論点がずれているような気がするなぁ。
日本で「イノベーションの不足」って言われているけど、そもそも国を動かす力を持つであろう政治層や経営層のあたりはイノベーションなんて欲していない。今のままたんたんと世の中の時が流れてくれれば良いと思っているはず。今のままで十分既得権を得て、利益を上げ、メリットを享受しているんだから、なにもいじる必要はない。技術革新(というよりは「技術改善」という程度のもの)に対してはゆっくりと置いてけぼりにならない程度に、後ろからついていけばいい。出し抜かれそうになったら人とモノと金と権力で先行者の足を止めたり自らが追いつけばいい。それだけで十分うまみがある。枯れない程度に井戸水を独占してくみ上げつづけ、水を確保すればそれでいい。
最近、日本国内には純粋なIT業界と言うものはほとんど存在しない、といわれるようになってきている。純粋なIT業界というのはいわゆるGoogleであり、Yahoo!であり、マイクロソフトのような企業のことである。これすなわちイノベーションをちゃんと起こした企業だ。日本でいうところのIT業界は、NEC富士通といったいわゆる通信機器メーカーであったり、NTT、KDDIソフトバンクのような通信キャリアをさす事が多いがこれは違う。これらの企業はメーカーや通信キャリアであって純粋なIT企業とはちょっと違う。彼らはITをサービス提供する、俗に言うSIerと考えた方がよい。イノベーションを起こした企業のサービスを利用し、その上に乗っかって商売をしているだけなのだ。
今日本に必要なのは、その基盤を起こす企業がほしい、と言う事なのだが…
日本の名だたる大企業はそんな基盤に乗りたくない。そんな基盤が出てきたら、、そっくりな物をそれぞれが自社で開発し、自社で利用するにとどまるであろう。他社に鍵となる部分を牛耳られたくない、うまみのあるところは少しでも握られたくないからだ。これを推し進めてていった先がいわゆる「ガラパゴス化」である。携帯電話、デジタルテレビは完全にその傾向がうかがえる。携帯電話はご存知AppleiPhoneですっかり話題をさらわれてしまった。そして、何故日本ではアレが作れなかったのか、と問う記事であふれ返っている。デジタルテレビも2009年〜2011年あたりには中国か韓国あたりの企業に激安テレビを作られて市場に相当のインパクトを与えるであろう。消費者が欲しい物より経営層が安心する物をつくるメーカー、消費者が必要なサービスよりも経営層が批判されないサービスを提供するサービス業。バックオフィスにしても、情報化にあわせて社内の体制を変えるアメリカ、社内の体制に合わせて情報化する日本。ERPパッケージを導入する企業文化の違いとしてさんざん語られてきたことだ。体制第一、現状維持第一。こんな日本にイノベーションは絶対生まれない。今の日本で内部から変化を望むのは無理だろう。と、なれば、政治的に企業の倒産件数を増やし、否応無しに組織が若返り、イノベーションが必要となる環境を整備する方が大事だと思われる。イノベーションが必要とされればおのずと起業件数も増える。新陳代謝がより高まる。企業件数が増えれば求人数も増えるから、ワーキングプアフリーターニートの問題も緩和されるだろうし、正社員が持つ既得権も強制的に剥がされる。社会の閉塞感が緩和されるのだ。
が…現政権は現状維持、事なかれ主義を絵に描いたような体制。ある意味当然である。こういう変化しない政治体制にしてほしいと願っている経営層が政治層にさまざまな形で支援をするだろう。裏を返せばイノベーションは労働者層にとっては有利に働く。一見突飛な発想だが、イノベーションが欲しかったら、労働者層の一票は経営層と逆の投票をするしかないのだ。経営層はそうさないために、「移民受け入れ」だとか「単純労働者の外国人受け入れ」といった労働者層に物議をかもす政策提言をどんどん上げてくるはずである。これを経営層が支持する側とは別の立場の人に言わせるはずである。労働者層の最大の武器はその人数の多さにある。すなわち票をたくさん持っている。経営層はこれを分散させることを考えるはずである。現に日本の主要政党は労働者に対して「いいこと半分」しか言わない。労働者は肉を切らせて、経営層と言う骨を断たねば、国産イノベーションは起こりえない。