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自前主義と既存業界の保護で日本は枯れていく

守る大手出版、間隙突く中堅中小 「iPad革命」の裏側(1)

http://www.nikkei.com/tech/business/article/g=96958A9C93819499E3E7E2E3938DE3E7E2E4E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;df=1
日本での電子書籍流通の新たな担い手として名乗りを挙げたのが、ソニー凸版印刷KDDI朝日新聞社の4社だ。iPad発売の前日、4社は電子書籍配信の事業企画会社を7月をメドに設立すると発表した。

日本企業はどうしてこうも垂直統合が大好きなのだろうか。業種も業界もまるで違うソニー凸版印刷KDDI朝日新聞社の4社がくっついて何が出来るというのだろうか。少なくとも消費者にとってはなにもいいことがない。
単純に考えれば、端末はソニー、配信はKDDI、コンテンツは朝日新聞、プラットホームは凸版、ということなんだろうけど…
こういう組み合わせはすぐに同業他社を生み出し、グダグダになる。
勝手な妄想だが、対抗馬として「NECdocomo+読売新聞+大日本印刷」とか「パナソニック+NTT東西+毎日新聞」とか「マイクロソフト+NTTcom+産経新聞」とかこんな感じの企業連合がぞろぞろ出てきて結局どこも泣かず飛ばず、アマゾンとアップルに占領されるという毎度おなじみのオチがつくことが目に見える。
いや、電子書籍市場そのものをグダグダにしようということ自体が目的なのかもしれないけど、何とかならないものだろうか。
規模の差はあるけどネットショッピングについて「楽天」はうまく行ったほうだと思う。eBayとかいろいろ強力な相手が出そうだったものの、日本ではAmazonを除けば敵無しといえるだろう。これは無理にたくさんの会社がネットショッピングを開いて「すみわけ」なんていうご都合主義に走らなかったことが成功の鍵だったと思う。

米国の出版業界は、「餅は餅屋」と言わんばかりに配信プラットフォームの運営には関与しようとしない。流通チャンネルは事実上アップルとアマゾン・ドット・コムの2社が握っている。

日本企業もこの気持ちが大事だと思う。インターネット上の商売は「1位じゃなきゃ駄目なんです」の世界なので、流通のノウハウを持たない企業がいまさら参入してもダメなのだ。だったら潔く捨てる。ここが大事。その結果、新しい市場が一気に花開き、世界を制する。企業も消費者もハッピーになる。
新しい市場が生まれ、古い市場が消える。既得権はいつか奪われる。この新陳代謝が活力の源だ。
日本の社会に漂う閉塞感はこれが無いからいつまでたってももやもやしてる。いつまでもいつまでも、大企業は大企業。中小企業は中小企業のまま。ややテンポはのろいが面白いのはスーパーのような流通小売ぐらいか。それ以外はいまだに「旧財閥系」なんてものがのさばっている。

http://www.nikkei.com/tech/business/article/g=96958A9C93819499E3E7E2E3938DE3E7E2E4E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;df=2
ある出版社の社長は、こう話す。「31社の日本電子書籍出版社協会は、言ってみればアマゾンやアップルに対して抜け駆けするなよというようなもの。日本の出版業界は、取次会社のうしろに書店がある。電子書籍市場の立ち上がりで、取次会社も書店も不安を覚えており、そこへの配慮もしながら、慎重に事を進めたいということでは」

人事だから好き勝手言わせてもらえば、消費者が本を入手するのに、取次ぎも本屋も関係ない。本が入手できれば途中はどうでもいいのだ。
電化製品もパソコンもソフトもCDもDVDも、何処で買っても同じものは、途中経過なんて関係ない。むしろ、不要なものなら取り払うのが自然の成り行きだ。
これはテレビやラジオも同様だ。同じ内容なら、電波に乗せる必要はない。途中はどうでも良いのだ。ネットを使って見てもいいし、携帯電話で見ても良い。YouTUBEUSTREAMのようなサービスが出てくるのは当然の結果であり、rajikoが予想以上の盛況振りを見せるのも同様だ。
本に関して、アマゾンがこれだけ隆盛を誇ったのは、町の本屋より便利で、早く本が手に入るからだ。アマゾンは取り次ぎのことや町の本屋のことなんか考えていない。消費者は注文してから本が手元に届くまで2週間もかかり、手数料まで取られる町の本屋さんより1〜2日で届けてくれるアマゾンを選んだ。当たり前のことを当たり前のようにサービスしたんだから消費者の支持を得ることは当然の結果である。

しかし、洋服や靴、アクセサリー、生鮮食料品など、実在の店舗販売が廃れないものもある。これはすべて手にとって実際の目で見て確かめたい、手触りを確かめたいというものばかりだ。スペックでは語れない何かがあるものは「途中はどうでもいい」と言い切れないものなのだ。

前出の社長は、こう言う。「出版社側が価格をコントロールできるのであれば、アマゾンやアップルへのコンテンツの提供は、やぶさかではない。しかし、アマゾンやアップルの都合で価格を決められるのは許容できない」

出版社は今までがおいしすぎたと考えるべきだろう。出版社以外で価格をコントロールしようとしている業界は軒並み苦戦している。その典型が「CDが売れなくなった」と嘆く音楽業界だ。本やCDのようなものは資源や農産物と違って有限なものではない以上、供給は事実上無限大だ。つまり、需要サイドのみで価値が決まってしまう。それなのに価格決定権が欲しいとは横暴以外の何者でもない。人気が出れば高く売れるだろうし、人気がなければ安くなる。それだけのことだ。
売れて間もない複数のミュージシャンが何年も前から言っている。「オレのCDと、あの大スターのCDが同じ値段で同じ売り場で売っている。これってすごいことだ。なんか申し訳ない。」と。ミュージシャンは音楽の価値を知っているからこういう発想が生まれるのだ。これが正しい「市場感覚」だろう。
もっと言えば、コンテンツを生み出している作家やミュージシャンより、間に割り込んで利益を掠め取ってる存在の方が大きい顔して、あーだこーだいうのは何かがおかしいのだ。

 6月8日、総務省経済産業省文部科学省は、電子書籍の普及策を検討する懇談会の第2回会合を開催した。懇談会には作家や書店、携帯電話事業者のほか、電書協やシャープも参加した。電書協の電子文庫パブリは、シャープが開発した電子書籍用のファイル形式「XMDF」を採用している。一方、アマゾンやアップルは参加していない。
 ここで、「電子出版日本語フォーマット統一規格会議(仮称)」を立ち上げ、日本語環境に適した電子書籍の独自フォーマットを開発することが決まった。米国など英語圏ではデファクトスタンダードになりつつあり、アップルのiBookstoreも採用している「ePub」形式については、「日本語への対応状況を見極めつつ対応を検討する」としている。アマゾンのKindle Storeが採用する独自形式「AZW」に関しては、ほとんど話題にも上っていない。

結局、シャープは「XMDF」形式以外の形式をサポートする端末を作ることが出来なくなり自滅し、ソニーあたりがこの独自フォーマットを変な形で拡張した独自形式を採用して囲い込みに走り自滅し、業界のしがらみなんていう余計なことを考えず、素直に欲しい機能を載せてくる中国や台湾のメーカーがePubとAZW両対応の端末を作ってシェアを伸ばし、日本のメーカーはその様子を見てから後追いをするものの時すでに遅し…こんな結末になることは想像に難くない。
日本メーカーは絶対数が多すぎる。淘汰されることは間違いない。どうせ淘汰されるぐらいなら、しがらみを断ち切れ。中途半端に長期的戦略なんて持つな。小出しにしないで最初から全部入りを出して、市場を独占せよ。
ビデオテープのVHS対ベータ、DVDの-R対+R、メモリカードのSD対MS、次世代DVDのブルーレイ対HDDVDDRMのFairPlay対マジックゲート…どれもこれも、自由度が高いほうが勝利している。特にもメモリカードの逆転っぷりはその典型だろう。カメラメーカーがスマートメディアだとかxDカードだとか独自性を出そうとしても裏目になるばかり。主導権を独占しようとするものはかえって主導権を失うことになるのだ。今熱いのはiPhone(iOS)とAndroidだろう。これも今後どうなるのか見ものである。

 ディスカヴァー21は、国内では珍しく、取次会社を通さずに全国4000の書店へ直接、書籍を卸している。そのため出版業界の横のつながりを持たず、当初は業界団体の日本書籍出版協会にも加盟していなかったアウトローだ。つまり「抜け駆け」しやすい立場にいる。だが、電子出版への積極的な姿勢は、それだけが理由ではない。

こういう会社の方が活きがいい。「大人の事情」や「見えない力」につぶされず、大きな会社に育って欲しいものである。こういう会社が大手企業に育つかどうか、その辺が「日本の若さ・活力」だろう。年々歳をとっていく日本はもはや「高齢出産」の域に来ている。既存の大手企業をつぶしてでも新興企業を産み出せるか。最後のチャンスのような気がする。