日本の女性は土地神話の夢を見るか

スローライフ スローセックス:性嫌悪症、男性も増加 日本特有の傾向か

http://mainichi.jp/life/today/news/20090129org00m100005000c.html
 HNさんのメールにも、「うまくできなくて相手を失望させるから?経験が少ないから?」とあるように、付き合っている相手に格好良く見られたいという欲求が強過ぎるように思われて仕方ありません。アダルトサイトやビデオに影響されてか、たくましく勃起して、イク、イカせるに執着しすぎているのです。だから、勃起しなかったらどうしよう、イカせられなかったらどうしようとなるのです。80年を超える長い人生の中で失敗はつきものです。その失敗を恐れるがあまりに二人の楽しいはずの営みがイヤになってしまうのは何とも残念なことではありませんか。もちろん、セックスという特殊な環境の中でこのような気楽さを保つには、男性だけでなく相手の女性の理解がどうしても必要です。「きょう勃起しなくても明日があるさ」「イッても、イカなくても二人の愛に変わりがあるわけではない」「喜びは次のお楽しみ」などなど。

まぁ、大体このとおりだと思うが、現状、男女関係がうまくいかないのはほぼすべて男性のせい、と喧伝されている。
ごく最近のニュース記事をピックアップしてみただけでもその様子はすぐに分かる。

未婚女性が「理由」告白 「草食系男が増えてるのが悪い!」

http://www.j-cast.com/tv/2009/01/30034535.html
結婚しない理由をならべると――
(4)タイミングが合わない 「プロポーズが自分のタイミングじゃなかった」
(3)結婚願望がない 「友だちと遊んでる方が楽しい」
(2)仕事を優先 「ぎりぎりまでキャリアを積みたい」「結婚してたらハンデになる」
(1)条件に合う男がまわりにいない 「男性が草食系になっている。一緒にいても自分ががんばってる気がして疲れる」「レベルの低さ。10代では顔優先、20代は性格、30代は収入」
なかには「機会があれば結婚はしたいんですけど、してないからそっちへいっちゃってる」と会社代表という女性。要するに、女をひきつける魅力を持つ男が少ないということか。

高学歴でも低収入だと結婚率が低いとの調査結果出る

http://news.ameba.jp/special/2009/01/32037.html
アンケート結果によると、男性に対し学歴を問わない女性は、全体で2割で、約6割の女性がMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)クラス以上を許せる学歴としていることが分かった。
 また、年収に関する調査では、8割の女性が年収500万円以上が妥協点であるという結果になった(理想は700万円以上)。学歴と年収、結婚率の関係を見てみると、「年収900万円以上」はMARCHクラス以上に大きく偏っており、結婚率も非常に高くなっている。

「お金ないと結婚無理」8割超=新成人、将来に不安−民間調査(時事通信) - Yahoo!ニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090111-00000021-jij-soci
「家庭の経済的生活を支える責任は夫にある」と考える男性は65.0%だったのに対し、女性は43.3%。一方で「相手の収入で生活の豊かさが決まる」とした女性は67.7%に上った。

わずか1ヶ月の間にこれだけのニュースが出てくる。選ぶのは女性、選ばれるのは男性、という視点の固定化。逆だったら「男女差別だ」「男尊女卑だ」と徹底的に叩かれる。

選ぶのは女性、ということが認知されると次の段階に進む。
女性が主導権を握りつつも、自ら進んで男性に声をかけるわけではない。徹底した売り手市場が完成したのだからわざわざセールスする必要はない。
女性は「誘われることこそステータス」「自ら進んで声をかけるようなことはプライドが許さない」「安売りなんてしない」「妥協なんてしない」「自分を徹底的に高く売る」「男性同士で競争して欲しい」と願うようになる。言うなれば女性の「かぐや姫」化。

そしてその先には「自分好みの相手以外には声すらかけて欲しくない」「女性に都合のいい(好みの)男性だけ言い寄ってきなさい」という発想に行き着く。男性という客を選ぶようになる。
これはなにも嫌がらせをしているわけではない。女性は自分が気に入った相手以外とはセックスをしたくない、というのと理屈は同じなのだ。男性のように「あっちにもこっちにも」とは思わないのだ。つまり、女性が気に入らない相手に対しては、男性が声をかけてきたことすらうっとうしく思い、あからさまな嫌悪感を男性に与える事になる。

この結果、男性は女性に声をかけたらひどい目にあった、という負の経験を積む人がどんどん増える事になる。
その結果がこれ。

特集ワイド:草食男子と肉食女子 「がっつき」逆転現象(1/4ページ)

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090121dde012040009000c.html
 千葉市に住む国立大4年の男子学生(22)は、付き合っている女性はいないが、合コンに参加したこともない。アルバイト先で、バブル期を経験した30代の女性が「チヤホヤされたい」と話すのを聞いて「その感覚が分からない」と思った。「彼女ができても無理はしたくない。それはあらゆる分野に言えますね。『見えっぱりする必要なくねえ?』って思います」

男子学生がそういう考えにいたるのはある意味当然の結果。女性が男性に無理をさせる、女性にとって男性は踏み台扱いになっている、ということがすでに見透かされているのだ。
それなのにこの分析。

特集ワイド:草食男子と肉食女子 「がっつき」逆転現象(2/4ページ)

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090121dde012040009000c2.html
 深澤さんは「つまり女性にとって社会システムがよくできていないわけです。女の人には、根深いあきらめの気持ちがある。派遣の人が婚活するのをバカにするのはいけない。年収200万円の派遣とか、未来がなさ過ぎる」。

 牛窪さんも、同様の考えだが、結婚に向けての女性の工夫はバブル期もあったと話す。

 「なぜバブル時代に、ワンレン、ボディコンで、短いスカートを履き、濃い化粧をしていたかといったら、結局男の人にモテたい、寄ってきてほしいという仕掛けだったわけです。当時は、男の人も、それに素直に飛びついていた。でも今は、男の人が傷付くのを警戒してあまり寄って行かない。そこが違う」

深澤氏の主張は、男性が悪い、女性は悪くない、の一点張り。あきらめているのは男性のほう。だから、男性は草食化し、女性が肉食化している。自分で「草食男子」といっておきながらこの矛盾した考え。しかも「女性にとって社会システムがよくできていない」なんていうのは「女性は男性に頼るのが当然」という発想があるからに他ならないわけで、その結果が「草食男子けしからん」「草食の役目は女性に限れ」「男性は肉食に行け」という誤った結論に行き着いてしまう。
牛窪氏の主張はまだ救いがある。女性もそれなりに努力はした、でも、男性が警戒してしまった、という分析。男性が警戒するのは結局のところ報われないから。女性が高値安定の売り手市場を作ったことで、男性にとって女性市場は「ハイリスクローリターン」市場という事になっていったのだ。

にもかかわらず「悪いのは男性」という一種の公理(もはや定理?)があるので、こんな記事になってしまう。

結婚のメリットが思いつかない?

http://mainichi.jp/life/love/kitamura/slowlife/archive/news/2008/20081113org00m100003000c.html
 「昔と違って、今は専業主婦をしてお金を入れてもらえるという地位は保証されていません。共働きの夫婦も増えているし、私もそうしたいと願っています。収入の面でも、自分の精神の面でも……。けれども、家事は女性がすることだという考え方がまだ大半を占めているように感じています。その結果、男性は結婚すれば、食事、洗濯、掃除など家事をしてもらえるというメリットがありますが、女性にとっては家事という負担が増えるだけにしか思えません。だからと言って、専業主婦として生きていくことには魅力を感じてはいません。なぜなら、(すでに他界している)母親が主婦を楽しんでいるようには見えなかったからというのと、主婦になってしまったら自分の人格を表せるところがなくなってしまうのではないか、との不安があるからです」

女性は結婚すると、家事と仕事の両方をやらされる。まぁ、これはそのとおりだろう。確かにデメリット。
しかし…

 「仕事を続けていれば、奥さんやお母さんとしてではなく、一人の人間として接してもらえます。でも、主婦になってしまったら、人付き合いをするにも『○○さんの奥さん』」、『○○ちゃんのお母さん』としてしか扱ってもらえなくなるのではと不安になるのです。私はそれに耐えられる自信がありません。そんな人生は嫌だとも思っています。男性は結婚しても仕事を続けることが肯定されていますから、一人の人間として扱ってもらえる場所を持ち続けられるのです。女性にもそういう場所があってもいいと思います」

ということは、やめたいのは主婦業のほうなの?
これは未婚だろうが既婚だろうがやらなくてはならない仕事ではないだろうか。
それとも、社会に認められるために働くのだろうか。男性はそんなことのために働いているわけではない。生きていくために働いているのだ。

「男性は結婚しても仕事を続けることが肯定されています」とは言うけど「仕事をやってもやらなくても良いことが認められているわけではない」「男は仕事をやって当然」なわけで、女性のように「仕事しても良し、主婦しても良し、自由にしなさい」ではないことがすっぽり抜け落ちている。男性は仕事と主婦の二択ではない。選択肢がないのだ。

女性にとって結婚はむしろメリットが多い。自分が倒れても男性が最低限支えてくれる。
しかし、逆は成り立ちにくい。もちろん中には男性が倒れて女手ひとつで、というたくましい女性もいるが、なかなか男性並の稼ぎというわけにも行かないだろう。

したがって、「主婦」にこだわる必要はなく、稼ぎ手が女性であれば、それを支える「主夫」がいても不思議ではありませんし、実際僕の周りをみても立派に「主夫」をこなしている男性も少なくありません。

ここを女性がしっかり認めるかどうかが鍵。「いいよ、主夫やっても」って言うだけじゃダメ。女性が「ちゃんと家族のために必死になって稼いでくるからね」と言い切ってくれなければダメなのだ。「○○ちゃんのお母さん」と呼ばれるのが嫌だから、なんていう理由じゃそれこそ「頼りない」。
にもかかわらず、

結婚に魅力を感じないもう一つの理由は、男性が頼りないことです。私が結婚をして私が手に入れたいものは安心感です。家族がいる安心感、一人じゃない、帰る場所があるという感覚。でも、世間の男性を見ていると頼りなくて安心できるような人とはなかなか出会うことができません。

「男性が頼りない」と言い切ってしまう矛盾。結局どんなパフォーマンスがあるの?いいことがあるの?という、普段女性が男性に投げかけている素朴な疑問が男性には生まれてしまうのだ。
男性が労多くして得た女性は「どんなパフォーマンスがあるの?いいことがあるの?」と。

女性は男性に対してさまざまな要求をし、できるだけ応えようとした。
じゃあ、逆はどうか。女性は、男性という客を選んできた。
男性から見た女性はいかにも高い。値段に見合わない。コストパフォーマンスが良くないと感じている。

バブルの頃の土地と同じ。高くなりすぎた土地のおかげでサラリーマンはマイホームを持てなくなった。女性も同様。高くなりすぎた女性のおかげで男性は彼女を持てなくなった。当然悪者は「土地ころがしをして大もうけした不動産屋だ」という事になったのだが、なぜか男女関係においてはそうなっていない。「マイホームを買えない貧乏サラリーマンが悪い」という結論になっているのだ。ここが変わらないとサラリーマンはいつまでたっても家を買えない。
そしてバブル崩壊。高値で土地をつかまされた人たちは「不良債権」の処理に手を焼く事になる。

バブル崩壊については、結局公的資金を投入する事で事態の収拾を図ったわけだが、男女関係においてはどうか。

こともあろうに高値で売り抜けた女性のほうに公的資金がつぎ込まれている。「男女共同参画」「子育て支援」などなど。男性側に助け舟が出たのはせいぜい「住宅ローン減税」ぐらいか。

時代は進み、いまや大不況。毎日のように解雇解雇。しかも万単位の人たちが。
そんな世の中なのに、女性の価格は高止まりしたまま。しかも、家を買うのと違って、男性が女性に言い寄って失敗したら負の経験までついてくるひどいおまけ付。

気に入らない相手に対しては、男性が声をかけてきたことすらうっとうしく思うことが当然の思考である女性にとっては当然の主張だろうが、男性にとってはあまりにも痛すぎる。
仮に、男女の恋仲になったとしても、そこからのハードルが男性にとってはまた高い。コミュニケーションのためのデートに割く時間とお金。そして失敗が許されないセックス。

心に不満をため続けていく、決して捨てられることはない女性の不満。それを相手にする男性はきわめて大変である。導火線に火がついた爆弾を相手にすることと同じだからだ。
女性が不満を感じるたびに導火線の火は燃え進み、いつか爆発することが決定付けられているからだ。導火線の火を消すことはできない以上、男性はいつか爆死する。
死にたくなかったら、爆弾を誰かに譲るしかない。もしくは、最初から手にしない、ということしか選択肢はない。

それに比べ、心の不満をクリアできる、捨てることができる男性の不満。それを相手する女性は楽である。爆発しそうになったら、火を消せばいいのだから。

セックスも同様。
自分が愛した人以外とはセックスをしたくない、と思うのが女性。男性にもそれを求める。裏を返せば男性の気持ちは無視。
すなわち、男性は別の女性を見ても欲情するな、勃起をするな、欲情したり勃起したら浮気とみなす、と女性は主張する。
しかし、男性にとってそれを実現するのは生理的にかなり難しい。
だが、そんなことはお構いなし。女性の売り手市場なのだ。悪いのは買えない男性であり「それができないならノーサンキュー」というのが女性だ。
かくして、彼女や奥さんがいる日本の男性は勃起禁止令を出されているに等しく、セックスレスになるのも当然の結果という事になる。
女性に、特定の決まった日時以外は生理や排卵禁止、といってるのと同じことなのだが、何せ売り手市場の女性。想像力をめぐらせる必要性もないし、それ以前に「産むか産まないかを決めるのは女性の権利」なんて言ってのけちゃうぐらいだ。男性の生理のことなんかおかまいなしだろう。

「きょう勃起しなくても明日があるさ
「イッても、イカなくても二人の愛に変わりがあるわけではない」
「喜びは次のお楽しみ」

これも、実際はこうなる。

「勃起しない」→役立たず
「イッても、イカなくても」→男性はイかなくても女性をイかせることぐらいしなさい
「次のお楽しみ」→次失敗したら、慰謝料請求&離婚

このぐらい踏み台にしようとしているのが日本の女性市場。性生活で男性がひどい目にあってる国はほかにはない。イニシアチブが取れない性生活は男性にとっては「義務セックス」「接待セックス」だ。男性にとって性生活は重荷以外の何者でもなくなっているだろう。

セックス負け国! 世界最低のsex回数の理由

http://allabout.co.jp/relationship/kekkonlife/closeup/CU20070417D/index2.htm
私が夫婦仲相談所でよく扱うオーガズム問題となると、世界の人の48%が普通にオーガズムに達しているのに対し、日本では27%という少なさです。世界規模で、女性と比べて2倍の男性(64%)が普通にオーガズムに達し、65歳以上の人が最も頂点に至っています。せっかくのセックスでオーガズム達成率も低いという我が国の現状です。

まぁ、これが現状だろう。「日本では27%という少なさ」が女性のみなのか、男女込みなのかは読み取りにくい。
こう言う事例から、「悪いのは男性」という公理を掛け合わせると、こういう問いかけが出てくる。

そして、私たち女性にとってセックスの重要な要素「相手の尊重」はどうでしょう?

またしても、男性からの視点はおかまいなし。
ここでも「女性にとって社会システムがよくできていない」ということが公理になっている。

日本では、「相手の気持ちを考えて、愛でつつみこみながらセックスしましょう」と、家庭でも学校でも教えていないので、若者達は雑誌やビデオで自習しています。

良いか悪いかは分からないが、男性にとってのセックスはこれが望みなのだろうか?

「ピストンは強くはげしいほど相手は気持ちいい」「女性もコンドームつけない方が気持ちいい」「女性がイヤというのは、感じてるの裏返し」「女性は顔射を喜ぶ」etc。

実は男性はこっちを望んでいるのでは?
女性にとってはいい迷惑だろうが、男性の積極性を問うのであれば、こういった視点を検証して見るのも大事なのではないだろうか。


男性の積極性にかかわる部分においては「女を幸せにできない男はダメ人間」という価値観から来るものだろう。
このご時勢、仕事をクビになって、収入が絶たれた男性もたくさんいるだろう。
そして、稼ぎがない男は役に立たないと離婚する(させられる)男性も多いだろう。


性嫌悪症が日本特有で男性にも見られる、というのはこういう背景があるのだと思う。

女性に気を使うことだけを期待され、男性自身がヤりたいセックスができない。
「男女の思惑は一致するのが当然というのは幻想であって欲しくない」という夢はあるだろうが、実はそうではない、というオチも十分考えられる。