もうすぐ助ける人がいなくなる
岩手、千戸超で停電続く…湯たんぽで暖、ろうそくの明かり頼りに
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/110103/dst1101032038010-n1.htm
大雪の影響で年末に大規模停電が発生した岩手県では3日夜、県北部の山間部や沿岸部を中心に約1400戸で停電が続いている。昨年12月31日からの被害世帯は延べ約7万3千戸に上った。
年末年始は大雪で大規模で長時間の渋滞や停電があちこちで発生し、被害にあった方にはお見舞いを申し上げます。
しかし、見方を変えると、今回の大雪による被害が「限界集落」をそのまま放置、現状のままやり過ごそうとした場合におきうるリスクの最たるものだということを如実に示したのではないだろうか。
少子高齢化が叫ばれて久しい。しかし、論点がどうしても年金や税金、企業経済などお金の話に矮小化される傾向がある。少子高齢化の進行は、今回の災害のようにマンパワーを必要とするケースに対して、今後はもっともっと対応できなくなるケースが増えてくるだろう。要するに孤立したままの集落がどんどん増えるということだ。今後50年間、若い世代はまず増えないといってよいだろう。限界集落に助けに来てくれる人はもうすぐ誰もいなくなるのだ。
生きる権利だ、生活する権利だ、と声を大にしても、そんな声は自然の力の前では無力だ。二重化した電線を別々のルートで配線出来る程度の地域に集落ごと引っ越すことをする時期に来ているのではないだろうか。
今の日本は、人を助ける力はどんどん弱まっているのだ。助ける力以上の人は助からない。
「助け合い」といえば聞こえはいいが、実際は助けてもらう人の側の論理で社会が動いている状態だ。もはや「助け合い」ではなくなっている。
助ける人が極端に少ない状態で、助けを待つ人がどんどん増えていく。
今回の大雪はリスクの一つでしかない。年金も介護も健康保険も抱える問題の本質は今回の大雪と同じなのだ。